白狐通信
パーティーシーズンには欠かせない定番カラー「葡萄酒色(えびしゅいろ)」
女性らしい指先をつくる濃厚なボルドー「葡萄酒色(えびしゅいろ)」。大人の赤ネイルとしてこっくりと深みのあるボルドーネイルは、トレンドに左右されにくい鉄板カラーです。ワンカラーでも大人っぽく上品に、スタッズやラインストーンを少し加えるだけでもゴージャスな仕上がりになります。
意外とどんな色とも相性がいいので、ネイルアートの時にも色の組み合わせに悩まず、今持っているカラーと合わせて使えるので、1本あるとデザインの幅も広がりますよ。
クリスマスから年末年始、成人式など冬の季節はパーティーシーズンですよね。ゴールドの黄金色やホワイトシルバーの月光銀と合わせてパーティーネイルにもオススメです。
まさに葡萄から生まれた伝統色。大正ロマンなボルドー。
伝統色名の書籍に、ごくわずか載っています。葡萄色の方が馴染みがあるかもしれませんね。
古くは葡萄色と書いて「えびいろ」と読みました。葡萄が大陸から入ってきたのは奈良時代の頃。それ以前日本には葡萄葛(えびかずら)=やまぶどうがありました。奈良時代には、暗い色の「深(こき)」と明るい色の「浅(あさき)」の2種類の色がありました。その後平安中期の「延喜式」によると葡萄色は淡い紫を表し、古代の「浅葡萄(あさきえび)」に相当します。それが江戸時代に入ると「海老色」と混合され、赤味の紫となっていきます。江戸中期には2つの色を区別するため、「海老色(えびいろ)」と「葡萄色(ぶどういろ)」の呼び名に分かれました。
葡萄酒色は、文明開化の掛け声で始まった急激な西洋文化の広がりが人々の生活に様々な影響を与えていき、洋装文化が普及するなかで生まれてきました。
この色は赤葡萄酒の濃い赤紫で、ヨーロッパではその色合いの違いをバーガンディやボルドー、クラレットなどとワインの産地や品種によって区別して呼んでいます。
西洋人はワインの味もちろんのこと色についても微妙に見極めるそうで、葡萄の皮に含まれる着色物質がお酒の中の酸によってさまざまな色を表すそうです。日本では紫がかった赤色をワインカラーと呼んでいますが、大正期頃の葡萄酒色とは赤玉ポートワインなどから知られるように赤味の強い暗いレッドワインの色をさしたようです。
小さなことにも幸せを感じられる色
葡萄酒はカトリックではキリストの血ともいわれ、日本文化にはなかったクリスマスもこの時はクリスチャンになったように祝ってしまいますよね。
可視光線には赤から紫色までの波長がありますが、この可視光線上にはないのが赤紫色なのです。これはキリストの生まれ変わりを表すとも言われています(死を表す紫から誕生を表す赤)。このことから、人のために生きる、人に喜びを与える、愛情深く慈悲深いことを表します。この色を用いることで日常の小さなことにきっと幸せを見いだせるでしょう。クリスマスをひとつの機会として赤紫色を身につけてみませんか。