白狐通信
王道のピンクのネイルですが、かわいさだけでなく大人っぽく上品な雰囲気もあるパステルピンクの「薄花桜」。透け感があり、軽い仕上がりになるので普段使いにピッタリのカラーです。色白の方なら同じ2018年春夏限定色の「鴇浅葱」より、こちらの「薄花桜」が肌の血色も良く見えるのでオススメ。さりげない指先を作るならワンカラーで、ラインストーンやグリッターを使えば上品で華やかなアレンジも。人気のビジューネイルも素敵ですよ。
春夏だけでなく一年通して使える色です。
日本人にとって特別な桜の花
伝統色では薄い水色で表されることもありますが、胡粉ネイル“薄花桜”はかさねの色目の春の配色から名付けました。表を白、裏を薄紅でほんのり紅色を感じる優しいピンクの山桜の色あいを再現したようです。
桜と付くかさねの色目は主として正月から三月の晴(ハレ)の装束で、かさねの表裏の色あいに少しの違いをつけ、多彩に表現されていました。
桜自体ではなかなかこのような紅色に染めることは難しいので、紅花や蘇芳で染められた紅色の衣をかさね合わせたとき、光の当たり方次第で微妙に変わるニュアンスに、自然の桜を偲ばせる趣を楽しんでいたのです。
桜と言えば日本の春の風物詩“お花見”ですね。日本の各地で春の訪れを喜び、浮かれた気分を演出してくれます。
しかし、奈良時代までのお花見といえば梅であったようです。平安時代に中国文化から日本文化への移行とともに梅から桜になりました。
平安京の内裏(京都御所)には正面階段から見て左に桜(左近の桜)、右に橘(右近の橘)が植えられています。
平安時代前は野生の桜を鑑賞していたようですが、平安時代に入ってそれまで平安京の内裏左に植えられていた梅に代わり桜が植えられたことが、観賞用としての始まりだそうです。
桃山時代には,豊臣秀吉が故郷吉野と京都の醍醐で盛大な花見の宴を行なったり、江戸時代にも将軍が桜を植えたりして庶民にも花見の風習が広がっていったようです。日本の桜の発祥の地は奈良県の吉野で、今でも桜の名所として知られていますね。日本の桜の80%は染井吉野だと言われていますが、名所の名にちなんで染井吉野の名がつきました。その他の桜の種類も多く、桜を大きく分類すると山桜を代表とする自生種、ソメイヨシノを代表とする一重の里桜、八重から半八重の里桜があります。
人々に愛され可愛がられる素質
古くから人々の心を潤してきた日本の国花としての桜は、ただ花としてだけでなく様々な顔を持ちます。和を装うために欠かせない花の桜。花の散る姿に人生の移ろいを感じていたのは今も昔も同じかもしれません。
桜がこのように人々に愛されるには理由があります。人の視覚にはある刺激に対してバランスを取ろうとして、心理的補色が現れます。またその補色を補うことによってリラックスできたりする効果があるのです。自然の緑の葉の色の補色にあたるのは赤系であり、濃い緑の補色残像に正しくあたる桜のピンク色は、誰にとってもホッと出来るコンビネーションなんですね。このような色を持つ薄花桜は、多くの人に愛され可愛がってもらえる素質を持っているのです。またその分人に対して喜んでもらえるものを知らずとして発揮したくなってくるのです。出会いの時期、和の精神で誰かを歓迎出来るでしょう。