白狐通信

イラストレーター鬼頭祈さん

鬼頭さん1

鬼頭祈さんは、京都造形芸術大学 日本画コースを卒業後、日本画の技法を使ってイラストを描かれていて、ファッション誌のカットや「おそ松さん」とのコラボ、金麦の広告イラストなど活躍されています。
上羽絵惣にもギフトボックスのグリーティングカードや2016年のクリスマスカードを描いてもらいました。
京都では約4年ぶりの個展ということで土曜日に見に行ってきました。

箱庭を覗き込んでいるようなドキドキ感

鬼頭さん2

「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」と題された通り、鬼頭さんの代名詞“いちご”と“こびと”を中心に、20数点の原画が飾られています。
“いちご”をモチーフに選んでいるのは、西洋画といちごが日本に伝わってきた時期が同じくらいで、昔の日本画にはいちごを描いた絵が少なく、日本画絵具を使っていちごを描くのは面白いかなと思って選んだと以前お伺いしたように思います。
地元の田舎で子供の頃、小さな花や小さな虫などの生き物と遊んでいて小さなものが好きになり、紙=水槽に入れるような感覚で“こびと”を描いているそうです。
そう言われると、鬼頭さんの絵を見る時の何かを覗き込んでいるようなドキドキした感覚は、箱庭やドールハウスに似ているかもしれません。

原画だからこその鮮やかさと紙の質感

鬼頭さん3

印刷された絵では表現できない絵具の色の鮮やかさや和紙の色、それによって生み出される奥行きは、原画だからこそ感じられる良さだと思います。
絵はすべて、墨と主に顔彩を使って描かれているそうです。
墨だと後から色を塗った時ににじまないのかなと思いましたが、墨の粒子が細かくて一晩乾かすと紙にしっかり定着するとのこと。
1枚の絵を描き上げるまでに5つくらいの工程を積み重ねるそうです。
洋画は画面を絵具で埋めることが多いけれど、日本画は紙の地を生かした空間を取ることも特徴のひとつとおっしゃってました。
日本画の絵具を使うのは、自然からできた絵具を使って自然のものを描いているという繋がりと、アクリル絵具や油絵具より絵具の持つ意味を感じるとのことでした。
その辺りは「胡粉ネイル」と共通点を感じます。胡粉ネイルにつけられた名前はただの記号ではなく、ひとつひとつに背景や物語があり、色を通して日本の文化や自然を感じてもらえるものなんです。

かわいいグッズもいろいろ

鬼頭さん4

会場では原画のほかに、そばちょこや缶バッジなどのグッズも販売してます。
京阪出町柳駅から7番出口を上がり、そのままの方向に徒歩2、3分歩くとオムライスのお店が見えてきます。同じ建物の歩いてきた道沿いに会場のギャラリーがあります。


期間:2月19日まで 月曜・火曜休み
会場:トランスポップギャラリー 京都市左京区田中関田町22-75
詳しくはこちら
http://inorikito.tumblr.com/
http://www.trancepop.jp/

更新日: 2017年02月13日 @上羽絵惣スタッフ